礎(いしずえ)
2002
小石、コンニャク、皿、おでん味噌、ビデオ映像
皿:直径19cm
小石とコンニャク:9×4.5×3cm、8×5.5×3.5cm
札幌
石とコンニャクの外観がよく似ていると思われるので、そこら辺で拾ってきた小石をコンニャクに置き換えてみた。
雪と氷に覆われた厳冬期の札幌での石拾いは困難を極めたが、幸いその時期には珍しい雨でかろうじて露呈した歩道の片隅に、2つの小石を見つけた。
さっそく持ち帰って雌型を取り、コンニャクで成型する。
コンニャクと小石それぞれ、2つ重ねて皿の上に乗せ、おでん味噌を垂らした。
見た目では両者の判別は難しいが、ひとくちかじれば速やかに解決する。
言うまでもなく、やわらかいほうがコンニャクだ。
その後、小石とコンニャクとを屋外で凍結させて、食べくらべた。
両者のもっとも大きな相違は、造形的な観点から言えば、その硬度にあると思われた。
凍てついたコンニャクをかじると、とても硬かった。
従って、あらゆる石造物を、凍結したコンニャクに置き換えることができる可能性を否定できない。
(2001年記述)