Video Go Home

Video Go Home
1998
VHS、カラー、109分
18タイトル収録
個展「B.P.」
ギャラリーなつかb.p、銀座

videogohome0000

展覧会の際、ビデオテープの貸出を始めた。
内容は、普段の活動で映像媒体という形に定着したものを乱雑に集めた。

 

Contents

01roecrisis
1. Roe Crisis (2’14”)
魚卵危機
右眼にできた結膜炎がいらいらさせる。炎症はもともと左眼にあった。左眼から右眼に移ってきたのだ。だが、もともと左眼にできた炎症は、右眼から移ってきたものだ。結膜炎が両眼を自由に行き来する。両眼は真っ赤に充血してゆき、炎症はますます腫れ上がり膿を出す。

02acannibalfamily
2. A Cannibal Family (6’20”)
食人家族
ある核家族の夕食。

03allgreen
3. All Green (remix) (3’44”)
緑一色(remix)
眼に優しい緑を映像で採集し続け、完璧な観葉植物をつくる。(植物の機能美の追求。)

04kneedrum
4. Meditations (knee drum) (2’14”)
瞑想(ニードラム)
無意識にものをたたいてリズムを取る癖があるが、それを意思的に行う。

05callthedeadup
5. Call the Dead Up (20’38”)
死者への電話
厄払いの不可能性の証明の不可能性について。

06snow
6. Reproduction of the Driving Snow (0’47”)
吹雪の再生
撮影中は暖かい車の中にいた。

07mixnutsthepacific
7. Mixnuts the Pacific (7’02”)
太平洋ミックスナッツ
太平洋の島々を舞台に繰り広げられる競争とその結末。

08sheplaysonsunday
8. She Plays on Sunday (5’59”)
日曜プレイ
偶然の疎外。

09bananaship
9. Banana Ship (0’40”)
バナナ丸
留守中の航海。

10beapebehuman
10. Be Ape, Be Human (14’49”)
猿へ、人へ
動物を擬人化するのではなく、人間を擬動物化する。その時、人間はもともと動物でもあるわけだから、彼は人間をやめようとすればするほど人間的になる、という猿の論理。

11blackbear
11. Black Bear (0’14”)
ブラックベア
北海道登別温泉熊牧場で撮影した写真の熊を黒く塗りつぶしていく。

12claypools
12. Clay Pools (8’32”)
粘土漕
粘土はちぎってもちぎっても、それが水分を保持する限り、また元の不定形なひとまとまりの状態に戻ってしまう。したがって、地球上の全粘土を集結した粘土連合のようなものを想定することができる。この想定に基づき、仮定された巨大な塊へ突入しようとする行為。

13drivintoextinction
13. Drivin’ to Extinction (20’58”)
鎮火へのドライヴ
深夜に観た霊柩車の豪華セット。

14chase
14. Chase (2’49”)
追跡
子供向けテレビ番組などで追いかけっこ時に使用される背景。

15ignition
15. Ignition (0’08”)
点火
マッチは、役目を終えるとすぐ後に燃え尽きるという点で、受精後の精子に似ている。

16snakeinwintersleep
16. Snake in Wintersleep (2’04”)
蛇の冬眠
とぐろを巻いて眠っている蛇は氷でできていて、暖かい春を待つのだが、暖かくなればなるほど自分の身体も溶けていってしまう。

17bathclinhead
17. Bathclin Head (6’38”)
バスクリンヘッド
祖父は禿げていた。父もどんどん禿げている。僕もやがては禿げるだろう。黒々とした毛髪のポートレイト。

18blackbirdblack
18. Black Bird, Black Dog (3’00”)
黒い鳥、黒い犬
空を覆う大きな影。

※テキストは全て1998年当時の記述

 

 

Video, Go Home
(1998)
109 minutes / DVD
■2007.01
video,gohome
2007年にDVD化。