The Ultimate Future

究極の未来
2002
紙、鉛筆、色鉛筆、水性カラーペン、クレヨン、画鋲、学習机、椅子、テーブル、ピアノ、木琴、生徒作品150点、夕張での作品44点
ワークショップ
グループ展「RELATION -夏・夕張・芸術祭-」
夕張創作の館(旧青陵小学校)、夕張

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「あなた自身の死に様を想像して具体的に描いてください。」という課題で、来場者に絵を描いてもらうプログラム。

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8月11日〜8月25日に夕張で「リレーション・夕張2002」というグループ展が催された。私はワークショップ(と言うほどでもない)とライヴ・パフォーマンスという2つのかたちで参加した。展覧会のメイン会場は「創作の館」というところで、廃校になった木造の古い小学校だ。

1、ワークショップ「究極の未来」について

「あなた自身の死に様を想像して具体的に描いて下さい。」という課題で、来場者に絵を描いてもらうプログラム。元々は、北海学園大学人文学部で私が担当している講義のなかで出題したものだ。生徒の反応に興味深いものを感じたので、夕張でもやってみることにした。

まず、私は会場となる旧音楽室をきれいに掃除した。二重窓の狭間には大量の蛾の死骸が溜まっていた。部屋の壁にあった作曲家たちの肖像画やリコーダーの運指表や音楽の授業の心構えが書かれた古い画用紙などをきれいに貼り直した。それから積年の埃を拭き取った机と椅子を並べて画材を用意し、壁には大学生による参考作品約150点を掲示した。音楽室前の階段通路にも生徒作品を掲示した。

音楽室を訪れた人は、私がお願いすると絵を描いてくれた。私がいないときでも自発的に描いてくれる人もいた。太平洋戦争と炭鉱事故について文を寄せてくれた老婦人もいた。絵を描いてもらっている間、私は部屋に備え付けの古いピアノでレクイエムめいたものを弾いた。子供たちが遊びにやってきて、私よりも上手にピアノを弾いた。完成した絵はその都度壁に掲示し、参考作品に加えていった。会期中に40数点の絵画「究極の未来」が付け加えられた。

(2002年記述)